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昨日と違って暑い中を歩いて出勤する。
梅雨入りが宣言されたけれど降り続く雨というのはまだなく、雷を伴うスコールのような短時間集中の降り方が連日続いているので、昼間のお客さんの数には影響ないようだ。
「はい、ありがとうね」
予約の食パンを取りに来てくれた近所の小竹さんのおじいちゃんが、レジで食パン1本を持って帰ろうとするので
「小竹さん、おばあちゃんから予約のメモはありませんか?」
と声を掛ける。物忘れが進むおじいちゃんだけれど、家族はこうして店の混み合わない時間におじいちゃんにおつかいを頼む。家族から話は聞いていて、私達は出来るだけ忘れずに声を掛ける。
「ああ、あったかな…」
おじいちゃんがポケットをがさごそして
「これだね。次は火曜日、と書いてある」
とメモをこっちに渡さず読んでくれたので、サッと予約メモを書いて
「小竹さん、ちょっと控えをつけさせて下さいね」
とメモと予約の控えをホッチキスでとめて食パンの袋にセロハンテープで貼る。
「ありがとうございました。気をつけて」
予約の控えがないままおじいちゃんが帰ったら‘ごめんね~’と笑いながらおばあちゃんから予約電話が掛かってくる。
そんなのんびりした雰囲気のあるベーカリーだけど、製造さんは新作を意欲的に作るし、朝と昼には店内は人でいっぱいになる時もある人気店だ。
「おはようございます」
あ、学校帰りの輪島クンが来たね。告白して誘え、以上を今日は伝える。
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