uno

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「タオルありがとう。お礼にティラミス、どうぞ」 「ぇ…わざわざ…ティラミス付きって、エビ鯛ですね」 「ふっ、ティラミスが鯛?可愛いこと言うね」 なんと…異次元レベルのイケメンが可愛いと…いやいや、可愛いとは言っていない。可愛いこと言う、とお口を褒め称えただけだ。いやいや、それも大袈裟だ…褒め称えたのではなく、褒めた。大人の社交辞令の範囲内だというくらいのことは分かる。 「うん?」 まずい…考える間、中尾さんの顔を見つめてしまっていた。バッと視線を下げると彼が持つティラミスが入っているであろう小さな箱を見つめる角度になり、物欲しそうな視線もやめなさいっ、と少し視線を上げて、昨日くっきりはっきりポチがあった辺りに視線を落ち着かせた…はぁ…忙しい。 「フェットチーネは上手に茹でられた?」 「はいっ、我ながら完璧ですごく美味しくて…あっ、私のおかげでなく、パスタ自体が美味しいから…それは、パスタだけで味見したので確かです」 あ…また余計な一文を付け加えてしまったじゃないか。イケメンって罪だよね。 「それは他所で俺もやるよ」 「ってことは、私はプロの味わい方を無意識にしていたと…?」 そんなはずないでしょ、何言ってんのよ… 「そうだね。味を楽しむプロだね」 「…プロにプロの称号を頂くなんて畏れ多いです」 「プロの称号か…やっぱり可愛いこと言うね、木梨さん。メグちゃん、て感じの方が自然かな?メグちゃんって呼んでいいですか?」
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