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「うん?どうだったかな…そんなには待ってないよ」
「待ったとは言うつもりないんですよね…大人だから?」
「大人にはなってしまってるね」
「車を5年は乗っているということは最低でも23ですから」
絶対に私より年上であろう中尾さんが23なわけがないけれど…これって会話を楽しみ始めてる?
「プラス10年生きてる」
「33ですか?大人なはず…」
彼が言った‘可愛いこと言う’なんて感覚は、私が部活帰りの中学生たちをベーカリーで見て可愛いと思う感覚と同じだろうなと理解する。
「メグちゃんが23くらい?」
「非常にリアクションしづらいところに来ましたね…25です」
「昨日すっぴん見たから。綺麗な肌の子だなって思った」
「…ふつーです…はい…」
「可愛くテレるよね?」
「……ふつーにテレるだけで…」
「ふつーが可愛いってことだな」
「あの…中尾さん…こういう感じに大人の余裕を浴びせないで…恥ずかしい…」
「名前呼んでもらえないから無理だね。可愛くていい匂いって、相乗効果でヤバいよな…」
「いや…あっと…ヤバいのはリュ…琉聖さんですっ」
名前呼びを意識した結果、軽く名前を叫んだ私の頭に向かいから手が伸びてきた。
「上出来、メグ」
「……」
「可愛いから、メグって呼ぶ」
もう呼び方など少々どうでもいいです。イケメンといい匂いの相乗効果もヤバいと思って落ち着きを失いそうだから。
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