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「友達?フラれたって?」
夜の時間のちっぽけアパートに配慮した琉聖さんの声は私に囁いているようだと感じ、連夜の小説とコミックによりTL脳になったのではないかと少し心配する。
「はい…ベーカリーのバイトくんなんです。私もアルバイトですけど」
「学生クンってこと?」
「そう」
「フラれたってわざわざ報告が来るんだ」
「ビックリしました…私が頼りになるはずないのに相談されていたからだと思うけど…」
「頼りになるお姉さんってところだね」
「仕事を教えるうちに頼りになるって勘違いされたのかな?」
「学生クン、何歳?」
「20」
「仕事を抜きにしても、年上のお姉さんに頼りたい年頃かもな」
「そういうものですか?琉聖さんみたいな大人に相談すればいいんですよね」
「一回り以上下の子、嫌がるだろ?」
「そういうものですか?」
「たぶん。で、報告聞いてちゃんとすっきり終わったのか?」
とっくに部屋の前だけど話が止まる気配はない。
「また聞いて…って…私は適任だとは思えないって言ったんだけど」
「メグ…それってさ」
琉聖さんは言葉を区切って私を見つめ、25度首を傾けると…
「ただメグと話したいだけなんじゃないか?」
およっ?と思った私の頬が彼の手のひらに包み込まれ
「これだけ可愛いけりゃ…サルの学生に狙われる…気をつけて」
コツン…額と額がこっつんこした。ひぇ…っ…いい匂い…デコ、熱い…
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