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「今…雨降ってるよ?急ぐ?」
‘聞いて欲しいと思って’
「このまま聞くけど?彼女に告白したんだよね、電話で…何て返事だった?」
力になれるとは思えないけど、輪島クンは誰かに話したいだけかもしれないから聞くことにしよう。
‘亮輔くんの面白くてムードメーカーなところ本当にステキだと思うんだけど、今は恋人にはなれないかな…って’
「え?それってフラれたの?」
‘フラれたでしょ?恋人にはなれないって’
「今はでしょ?他には何か言ってなかった?」
‘一緒に遊んでいて楽しい、とは言ってたけど’
「それって何人かで遊んでる中でも輪島クンのいいところはたくさん知っていて、友達だと思っていたから…いきなり驚いていい返事じゃなかったってだけに聞こえるけど?これから意識してくれそうな期待が出来ない?」
‘そんなもんですか?’
「…ごめん…改めてそう聞かれると…分からないけど、私にはそう聞こえた…輪島クン」
‘はい’
「応援はしてるけど、正直なところ私にこれ以上の相談はしても無理だよ。ごめんなさい。彼女、同級生?」
‘はい’
「これからもっと仲良くなれるといいね」
‘メグさん、完結させないで’
「始まってないのに完結しないでしょ?それともやっぱり始まってる?ステキって思ってくれてるんだから自信持てばいいんじゃない?」
頑張れ、と言いかけたとき…ピンポーン…
「輪島クン、じゃあ頑張ってね」
通話を終えて
「はい」
‘メグ、俺’
「琉聖さん?」
‘ここにバイクで向かうと降られるわ、俺’
インターホンの向こうにはまた雨を滴らせたいい男がいるらしい。どうなってるの?
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