uno

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15時半までの仕事を終え、着替えて更衣室を出ると、隣の更衣室に入ろうとした輪島クンと会った。 「お疲れ様です。シフト合わないですね、メグさん」 「そうだね」 「メグさんのおかげで彼女の連絡先ゲットしたんですよ。ありがとうございます」 大して‘おかげ’と言うわけでもないと思うけど。 「いらない連絡先も付いて来ましたけど、まずはオーケーです。メグさんの連絡先ももらっていいですか?」 「私?」 「なかなかシフトが被らないし、被っても仕事中に話してばかりもいられないから、電話で相談したいです」 「相談って…アテにされてもイマイチだよ?」 「いえ、十分だし…そのくらいがいいんです」 「…そのくらい?このくらい?」 「はい。行き過ぎない、素人っぽい…重要でしょ?」 期待されているのか、されていないのか分かりにくいな… 「それくらいなら自分で調べればいいんじゃない?」 「いやいや、リアル女子目線に勝るものなし」 そう言ってスマホを私に差し出した輪島クンには時間がない。急いで私もスマホを出して連絡先を交換すると 「ありがとう、メグさん」 ポンポン、と長身から頭ポンポンを繰り出した輪島クンが更衣室に消えた。 ぇえ…ぇ?スッゴク自然に頭ポンポン出来る人?あ、なる…とか言う彼が?好きな子にはめちゃくちゃ奥手…?ははぁん、かわゆいじゃないか。
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