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「この足…どこで転けた?」
彼の大きな手が脛のデコピタを押さえ…ふふっ…
「ん?」
「スネピタ」
「可愛いメグ節復活」
チュッ…
「で?」
「華麗に振り払ったあと、気持ちは音速で全力疾走したの」
「ここまでか?」
「そう、ベーカリーの裏からここまでずーっと…もうね、涙と汗が…たぶんキラキラと後ろにこうやって見えてたはず…」
私がコミックのキラキラのように耳の辺りで両手をひらひらとさせると
「絶対見えてたな。見たかった」
「でしょ?で、階段もそのスピードだったから…足がもつれて…転けた…」
「そうか…音速で階段は難しいな」
彼は私のふくらはぎをもみもみする。そして
「メグが悪くないのは分かりきったことで、その後の頑張りも満点以上。サルの退治は必要だな」
と私を見る。
「退治?」
「そう。いつ飛び掛かってくるか分からないサルに会えるか?」
「…嫌だね…私はちゃんと伝えたもん…」
「だろ?メグ、スマホは?バッグ?」
「うん」
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