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「はい」 ‘Trattoria sorriso(トラットリア ソッリーソ)です’ 「…ぇ?…宅急便?」 私は混乱していた…先月、Trattoria sorrisoというところへ、イタリアンのサブスクを注文した。そしてベーカリーのシフトを見てから、今月のお届けを今日の18時から20時に指定した。 宅配業者から冷凍便が届くはずなのに、Trattoria sorrisoと名乗るのは何故? ‘木梨メグさんのお宅でお間違いありませんか?’ 「…はい」 ‘ご注文ありがとうございます。初回のセットをお届けに来ました’ 間違いなく私のところへ来た人だ。インターホンも何度も鳴らしていたのかもしれないと思い、急いで玄関ドアを開ける。 「すみません、もしかして…インターホンを何度も……ぇ…大丈夫ですか?」 ドアを開けたところには、びしょ濡れで保冷バッグらしいものを持った…水も滴るいい男…本来の意味ではなく、文字通り…びしょ濡れのいい男がいる。いや…本来の意味も噛みしめたくなるような男性がいて、自分が部屋着にすっぴんなことが恥ずかしくなる。 「降られてしまったんで…荷物は問題ないので大丈夫です。中身はここで?」 「あ…玄関で頂きます」 「失礼します」 玄関を濡らしてしまうことを気にするようにドアのギリギリまでだけ入った、水を滴らせたいい男が保冷バッグを開ける時、私は狭い部屋に一歩入ってタオルを持つと 「はい…」 彼の濡れた手の辺りにポイっと置いた。
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