幽霊は幸せを享受する

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幽霊は幸せを享受する

どうも、幽霊です。 幽霊界に住んで10年、つまり幽霊歴10年のベテランです。 あ、幽霊でも足はありますよ? 生前の体とのっぺらぼうの顔面です。 生前が男だったらしいので、自称男です。 「だったらしい」というのはですね、 生前の記憶がないからなのですよ。 生物みな死ぬでしょう? 死んだら魂だけになるんです。 そして、その魂は幽霊界に向かって旅をするんです。 魂だけで幽霊界に向かうには200年ほどかかりましてね。 その間に生前のことは忘れてしまうんです。 生前生きた年数よりも魂でいた年数の方が十中八九多いでしょうし。 じゃあなんで生前が男らしいとわかったか。 幽霊界に住むにあたって、魂を入れるからだを与えられるんですが、 生前の体とのっぺらぼうの顔面が与えられるんです。 それで、僕の体は男の体だったので 「あー僕は男だったのかあ。」 となったのです。 そして、体が与えられてはじめて魂から幽霊となるのです。 そんな僕ですが、この度彼女さんが出来たのです!
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