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「〜っ、玄ちゃん、痛くないこと、って?」
玄ちゃんが、
頬に触れる指先から、私に熱が伝わって。
──────ドクン、ドクン
と、心臓の鼓動を感じながら問いかけた。
「ん。こーいうこと」
玄ちゃんがそう言ったと同時。
「............んっ、」
玄ちゃんの、目を瞑った顔が目の前にあって。
そのまま、角度が何度も変わる玄ちゃんの顔。
でも、キスなんて初めてで。
息苦しくなった私は、
トンッと軽く玄ちゃんの胸を押した。
「っ、ぷはっ.........」
それと同時にやっと吸えた息を吸っていると。
「それで、夏、どこ行きたいわけ?」
そう問いかけてくれた玄ちゃん。
「あのね、いっーぱいあるよっ!」
私はそう言って、
玄ちゃんに、──────ムギュッ。
と、抱きついてみた。
「ほんと、お前ってさ、
無自覚過ぎ、うさぎよりタチわりー、」
「ん?玄ちゃん?どういう、」
〝どういう意味?〟って、
聞こうとした言葉は玄ちゃんの唇で塞がれて。
結局聞けなかったから、
玄ちゃんの言葉は分からなかったけど、
どうやら私の色仕掛け?は成功したっぽいです!
fin.
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