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淡いピンク色をしたブラウスをハンガーに掛けながら質問に答える。
「それは…もちろん最初は人が好きだった。」
「生まれたときから、中学生くらいまでは、人を嫌いになんてならなかった。」
「けど…。」
息を吐く。
「高校に入った頃だった。」
「こんなにも、人の嫌なところを見て、人を傷つけるところを肌で感じて。」
「もう一生分の嫌な人に出会ったんじゃないかってくらいの三年間だった。」
一息置いてワタシは言葉を続けた。
「ワタシ、苛められてたのよ。」
「信じられないでしょ。」
「高校生にもなって、苛めだなんて。」
「ワタシだって、信じられなかった。」
「そんな苛めなんて、中学生までだと思っていたから。」
「入学して一週間で、クラスの女子生徒から苛められたわ。」
「理由なんて分からない。」
「ただ、本当に些細なことだったかも知れない。」
「県外から来たからとか、物を落としたとか、そういう。」
「周りの生徒の声が頭に響くから、うんざりしていたの。」
「その態度も気にくわなかったんだと思う。」
「でも…本当の理由なんて分からないけどね。」
「最初は、クラスの女子生徒の少人数で、ワタシの悪口を聞こえるように言ってきたわ。」
「誰も助けようだなんてしない。」
「皆、自分が大切なのよ。」
「クラスの女子生徒の少人数だけだったはずなのに、休み明けには、クラス全員がワタシを除け者扱いをした。」
「ワタシの悪口が飛び交う毎日よ。」
「話したことのない人までにも言われた。」
「学年が変われば、苛めは終わると思っていた。」
「そんな淡い期待をしていたわ。」
「でもね…。現実は違うのよ。」
「学年が変わっても、苛めなんて終わらなかった。」
「いいえ。むしろ、苛めてくる人が増えたわ。」
「学年全員がワタシが苛められている事知っていた。」
「だから、今まで以上に関わったことのない人が、ワタシの悪口を聞こえるように言ってきたわ。」
「毎日、殺してやりたいほどだった。」
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