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「でも…他に属するグループなんて無かったし、もう、一人っきりになるのは嫌だった。」
「だから、無理して友達と一緒にいたの。」
「否定されようが、見てみぬフリをされようが、学校にいる時間だけは、我慢しよう。」
「そう思って毎日、自分に言い聞かせて、傷ついていないように装って、卒業するまでの辛抱だって自分に言い聞かせて、ポーカーフェイスを貫いた。」
「でも…、あの時は、今を生きるのに必死で、気がつかなかったけど、無理してたから、無理してる分だけ辛くて、今でも新鮮に思い出してしまう。」
「自分の辛さを見てみぬフリしてた。」
「『本当に辛いなら、別に無理しなくたっていいんだよ。』」
「そう、あの時の自分に会ったら言ってあげたい。」
「あんなの、友達じゃないよね。」
「全てを否定され、見てみぬフリをされて、
でも、友達が嫌なことをされたとき、友達は大袈裟に騒ぎ立てるの。」
「ワタシにとって、アナタがやられている出来事は、どうってことないのに。」
「ワタシの方が、何倍も何十倍も嫌なことをされてるのに。」
「そういうときだけ、いつも大袈裟にして、
ワタシが嫌なことを言われているときは、見てみぬフリをされて、傷ついた。」
「苛めをする人より、ワタシの近くにいたのに、そういう時に見てみぬフリをされる方が、何倍もワタシは傷ついた。」
『友達なんかじゃない。』
「本当に友達なら、楽しいことも好きなことも辛いことも、欠点も、全部、分かち合って助け合う。」
「それが友達なんだよって。」
「『無理して、友達作らなくてもいいんだよって。』」
「『ひとりでいてもいいんだよって。』」
「言ってあげたい。」
「けど…、学生ってものは、友達と居ないと駄目、ひとりでいると変人扱いされる。」
「同調を求められる。」
「なんて、生きづらいんだろうね。」
ワタシは、振り返って、アナタに、涙を隠すように苦笑いをした。
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