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届くまでの間、ワタシは、壁に寄りかかりながら、
ソファーに座っている彼女にこんな話をした。
「ワタシ…、友達運無いんですよね。」
「友達運?」
目を大きく開いて、首をかしげる。
「そう。」
「友達運。」
「友達できるたびに、嫌なことに巻き込まれて、傷ついて。」
「でも、友達は、自分が嫌なことをしていることに全く気がついていなくて、自分が、ワタシの事を傷つけてるってことも気づいてなくて。」
ワタシは、指先を弄りながら、その光景を思い出す。
「だから、何か疲れちゃって。」
目線を上げて、遠くを見つめる。
「友達の我が儘に付き合って、いつも、友達の気分を害さないために気を使って。」
「ワタシが気を使っていることも知らずに、いい気になって。」
眉毛に力が入る。
「若菜なら何でも言っても平気みたいな雰囲気になって、その言葉と行動がどれだけ人を傷つけているか分かっていなくて。」
ほんの少し涙が溢れそうになるのを我慢する。
「でも、我が儘に我慢できなくて、付き合い切れなくて、向こうの方からワタシと離れてくれるのを願っていたり。」
「でも、そこで歯向かうと色々面倒くさいから、結局、人に合わせて過ごしたりして。」
フーッと息を吐く。
「それと、人の気持ちを考えない人もいて。」
「人の気持ち考えない人って、いるのね?」
アタシは驚いて、壁に寄りかかっているアナタの顔を見つめた。
ゆっくり頷く。
「うん。」
「それもね、いつも、「暇なの?」「暇なんだね。」
そういう言葉を使う人でね…。」
「最初は、「そんなんじゃないよ。」って、私も言ってたんだけど、いつも、お喋りをするとそういう言葉が返ってくるから、だんだん、しんどくなってきてね…。」
「そう…。」
アタシは、頷く。
「でも…、我慢できなくてね……。」
「そんな言葉を使う人、今まで居なかったから。」
「そして、だんだん、話すことが辛くなって、笑えなくなって…。」
「それなのに、決定的な言葉を言ってきたの…。」
あの時の光景が頭を駆け巡る。
「どんな…言葉?」
アタシは、首をかしげる。
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