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「たまたま、同じメーカーのナプキンを使っていただけでしょ。」
「そんなことで気が合うとか、簡単に言わないでよ。」
ワタシは冷たく言葉を放つ。
「で~も。」
「また会えた。」
「きっと、気が合いますよ。」
「アタシは、そういうところ好きですよ。」
崩さない笑顔で、手を動かしながら話す。
「あのね!」
「ワタシのことを何も知らないのに、分かったようなこと言わないで!」
足を止める。
「こんな……」
「暗くて、嫌な自分。」
「好きになるわけないでしょ!」
さっと、歩き始める。
「そんな!」
「そんなこと言わないでくださいよぉ!」
足早に行ってしまったアナタを
追いかける。
「アタシ、知ってます!」
「アナタのこと。」
「はっ?」
ワタシは立ち止まった。
そんな言い合いをしていたら、これから乗るはずの電車は通りすぎてしまった。
仕方がなく、家まで歩くことに。
もちろん、さっき出会ったこの人『真宮 美喜(まみや みき)』もいる。
トボトボと足を運ぶ。
「あっ…。」
雨が降ってきた。
次第に強くなっていく雨。
急いで歩く。
「大丈夫ですか…?」
「家…どっち?」
真宮 美喜(まみや みき)は
ワタシの家とは反対方向を指差した。
「しょうがないから、ワタシの家で雨が止むまで居る?」
「いいの?」
目がキラキラと輝いて、私を見つめた。
「はい。」
「電車逃させちゃったし、色々と冷たいことを言っちゃったし。」
ワタシは、苦笑いをして歩き始めた。
真宮 美喜(まみや みき)は、嬉しそうに駆け寄った。
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