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花柄のミニスカートをハンガーに掛けながら、自分の話を続ける。
「でもね、学年が上がってクラス替えしたときに、友達…のような人が少なからずワタシにも出来たの。」
「でも…クラスが変わっても、それでも、苛めが終わることはなかった。」
「それに…ワタシが嫌なことを言われているとき、友達はすぐそばにいたの。」
「でも…庇ってはくれなかった…。」
「『大丈夫。』『気にしない方がいい。』
そんな言葉、一言も言ってはくれなかった。」
「それを望んでいた訳でもないけれど…。」
「ワタシだったら、『気にしない方がいいよ。』ってそっと声をかけていたなって。」
「ただ、何も言わずに、そっと隣に居てくれるだけでもいい。」
「ワタシはずっと、そうしてたから。」
「みんなに…。」
「でも…、やっぱり…、住んでいるところが違うと、人の思いやりとか、そういうの考えないんだなって…。」
「それに気づいたとき、絶望したよ…。」
「同じ人間なのに、思いやる気持ちも無いんだと…。」
「中学生までは、みんな思いやる心持ってた。」
「きっと、同じ所に住んでいたから?」
「恵まれたんだなって…。」
「みんな、優しい心持ってる。」
「でも…、ここは違う。」
「ここは…、この学校は、このクラスも、この友達も、この人たちも…。」
「違う……。」
「ワタシが苛められているのを知っていたのに、そういう時だけ、いっつも、ワタシから離れて、遠くで見てるの。」
『自分は関係ない。』
「そんなかんじに。」
「信じられないと思った。」
「人間的に。」
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