あの日のミルキーウェイ

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 結局、その日は一日中外遊びをしていた気がする。いくら子供だからといっても元気がよすぎじゃないか。恐るべし田舎の子だ。  ヘトヘトになって帰ると、居間に伯母と知らない女の子が居た。 「あ、マルくん。ちょうどよかった。ミキちゃんが来たところなのよ」 「ミキです。よ、よろしくお願いします」  少し緊張気味に頭を下げるミキちゃんは、私が想像していた女の子像とは大きくかけ離れていた。  短く切られたショートボブの髪に、程よく焼けた肌。一見するとまるで男の子のようだけど、目鼻は整っていてそれなりの格好をすれば女の子の中でも可愛い部類に入るだろう。  あんまりジロジロ見ては失礼だ。私もさっそく自己紹介をする。併せてあだ名の由来も説明しておいた。 「マルくんはどこから来たんですか? 私は大阪なんですけど」 「僕は東京だよ」 「東京ですか。いいなぁ、渋谷とか新宿とかあるんでしょ? 私も一度行ってみたいな」  ミキちゃんは両手を組むと羨ましそうにうっとりとしている。  彼女はそう言ってくれたが、東京は住んでみると憧れるほどいい街でもない。確かに物はなんでも揃うし、テレビ局のチャンネルも多いがそれだけだ。
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