10人が本棚に入れています
本棚に追加
未練の学び舎
「ねえ、これっていつまで続くのよ?」
「俺様はら減ってきたぁ」
言われてみれば、空は茜色に染まっていた。
ホープがポケットから銀色の懐中時計を取り出すと、それをパカッと開いて時間を確認する。
「大丈夫、次で最後だよ♪」
「お! んじゃあ気合い入れてやんぞぉ!」
「それじゃあ、ご案内いたしま~す」
パチンと指を鳴らして、お決まりの瞬間移動。
次で最後、か。
これが終わったら、またいつも通りの生活に戻るんだ。
それはつまり、ゾンビ事件が解決するっていうこと。また家でのんびりゲームをする日々が待っている。
嬉しいことのはずなのに、胸がきゅっとするのは、なんでだろう。
他人の気持ちがわからないのなんて、毎日のことだけど。
自分の気持ちがわからなくなるのは、はじめてかもしれない。
今日は変なことばっかりだ。
最初のコメントを投稿しよう!