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「きれいね……」
「そうだな…… まっ、まぁ、どうせ映像だろうけど!」
「見惚れてるヒマはないよ〜」
ホープはいつの間にか、紫色の宇宙服に着替えていた。
ステッキはなくて、代わりにSF映画に出てくるような光り輝く電光ソードを持っている。
「あー、ずりぃ! 俺様も!」
「はいはい、ちょっとお待ちな」
ホープが電光ソードをブゥンと振ると、そこから出たキラキラが僕たちを優しく包み込んだ。
着ていた半袖半ズボンが、みるみる青色の宇宙服へと変わっていく。
本当に魔法みたいだ!
「ちょっとドキドキするわね」
「すっげー‼︎」
見ると本庄君は緑色、指原さんは黄色、大筋君は赤色の宇宙服姿になっている。
なんだか、ここが本当に現実なのかわからなくなってくる。僕は頬をツネろうと顔に手をのばした。
コツン。宇宙服のガラスに手が触れる。
え、どうして? この宇宙服はニセモノのはずなのに。
「あ、気をつけて。ここはゲームと現実の世界が混ざり合った空間だから」
「それって、つまり?」
ホープは意味深な笑いを浮かべて言った。
「この空間で傷を負えばもちろん痛いってコ・ト♪ まっ、死んでも現実世界で死ぬわけじゃないから、安心してよ〜」
「あ、安心できるわけないでしょ‼︎」
「ケガしなきゃいーんだろ? ヨユーじゃん」
「あ~もう! タケルは少し黙っててくれ!」
僕たちの訴えもむなしく、ホープは電光ソードをブゥンと振った。
「長ったらしい話はもうおしまい! ぶっつけ本番いってみよ~♪」
傷を負えばもちろん痛いって⁉︎
現実がゲームの世界だったらいいのに、なんて思っていた罰なのか?
そんなの、あんまりだ!
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