宙の街

4/8
前へ
/56ページ
次へ
≪ねねね、ねぇ! どうしたらいいの⁉︎ えええ、エイリアンって≫ ≪落ち着いて、左下にマップがあるでしょ。赤い点がエイリアンだ。それに近づかないで≫ ≪え、左下? うお、ほんとだ! なんかある!≫  大筋君はマップの存在にも気が付いていなかったらしい。 ≪赤い点の動きをよく見て、同じ場所をぐるぐる回ってる。落ち着いて動けば、鉢合わせることはないよ≫ ≪なるほど…… ま、まぁボクもそれくらい気づいていたけどね‼︎≫ ≪ねえ、この黄色い点はなにかしら?≫  指原さんの言う通り、マップには黄色い点が四つ光っていた。 ≪それがボタンだろうね。みんな、自分から一番近いボタンに向かおう≫ ≪おう! ユーゴ、お前すっげぇな!≫ ≪いや、これくらい誰でも思いつくよ≫ ≪そんなことないわ。あたし怖くってどうしたらいいか全然わからなかったもの≫ ≪ふ、ふん! まぁタケルよりは大分使えるね≫ ≪チヒロこんにゃろー!≫  本庄君と大筋君が無線越しでケンカを始め、それをまた指原さんが止める。  うるさくて、めんどくさかっただけのやり取り。  だけどちょっとだけ、心地いいと思った。  ……変なの。  
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加