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私はまだ何も始まっていない。
考えないようにしよう。
頭を振って仕事に入る。
集中していて、昼になったことも忘れていた。
昼休み。
皐月は石井兄弟と原田取締役、蓮見専務と一緒に食事へ行くらしい。
私だったら地獄。可哀想に……。
まあ、直也さんが溺愛しているから守ってくれそうだけど。
久しぶりに上司が外出しているし、のんびりと社食へ行く。
すると、せっかくなのに嫌な人に肩を叩かれた。
「遙、久しぶりだな」
春樹……。よくこんなところで話しかけられるよね?
私が振られたことになっているというのは本当のようね。
「……そういう貴方は元気そうね」
焼き肉定食を持って、コーラを乗せている。好みは変わってない。
「お前も相変わらず、月見うどん好きだなあ。一緒に食わないか」
受け答えも相変わらず。
こんなに空気感変わらないのに……不思議なものね、ドキドキしなくなった。
外のデッキのほうのテーブルへ。
今日は少し寒いので外には人はほとんどいない。
席に座ると黙々とお互い食べる。これも通常運転。
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