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「一度そういうことがあっただけで、会社で言い回り彼女面。外側だけで中身がない。お前と比べたら月とすっぽんだな。俺も反省したから、しばらくは彼女の会社での立場を考えて放っておいたが、そろそろ限界でね。昨日別れた。彼女はお休みだよ。俺に当てつけか心痛でお休みだそうだ」
「……春樹。ごめん。ありがとう。でも……」
「分かってるよ。お前は繊細だって言っただろ。俺のやったこと、いくら魔が差してもお前が元に戻る気になんて、すぐにはならないのはわかってる。それに、あの取締役。奴をなんとかしないと。しかし、御曹司だしな。俺も出世はそこそこできそうだが、この会社じゃ勝負にならん」
何言ってんの、春樹。
「その様子だと、取締役のひとり相撲のようだな。まだ、俺の方に分がありそうだ」
「だから言ったでしょ、私にそういう素振りは見せないし、公私混同は大嫌いな人なの」
「混同しなきゃいいんだろ。遙、気をつけろよ。何かあったら呼べよ。助けるくらいは出来る。いざとなれば、転職覚悟で助けてやるよ」
春樹ったら……。
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