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「遙。君が石井コーポレーション勤務なのは直也から聞いていた。分かっているだろうが、ウチとは競合相手だ。直也は俺の小学校からの腐れ縁。高校まで一緒だった。俺は大学一時期海外だったから」
そうだったのか。
「匠さん。石井弘取締役とは親しいんですか?」
「いや、兄の隆君が同窓だった。彼は高校でも同じ部活でね。色々あって。弘君は同じ高校だったし、部活も後から入ってきたから知っているんだ」
部活?
「何の部活ですか?」
「ボランティアや慈善事業から収益を上げられる構築を目指す。まあ、部活というか小さな会社を起業経営する」
は?何それ?
「そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔しないで。わかりやすく言うと、まあ、似たような会社経営者の子供が集まって親のまねごとをして収益を上げようとするというか」
何ですって?
「一時期だけやるんだ。そして卒業と同時に解散する。勉強も兼ねて」
「……私達庶民にはわかりにくいですけど、要は将来のために色々やってみるということですね」
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