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私が目覚めると
どのくらい眠っていたんだろう?
私は、頭の中に霧がかかったように
真っ白いモヤの中に立っていた。
「ここはどこ?」と不安になる私。
私は、小さな光を見つけ
その光に向かって歩き出した。
不思議だった。
光に近づくにつれて、
私の頭の中がどんどん鮮明に
なっていく……。
まるで、今までの自分とこれからの
自分が一つになっていく感覚を
覚えるように……
私は、心地よい気持ちになった。
そして、誰もいないはずの場所に
横たわる影を見つけた。
「え?これ、誰?」
見れば、私の同じくらいの男性……
眠ったままの彼。
私は、彼のことをつついてみた。
「目覚めない……」
もう一度つついてみた。
「当分目覚めそうにないな……」
と思った私は、仕方なく彼の隣に
座った。
私の遠い微かな記憶……
『匠くん……』この言葉だけが
頭の中に残っていた。
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