恋をすると、人間になれるらしい

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 私の家はAIだ。家電や電気を手足のように使い私に快適な生活を提供してくれている。 「ナルミ、朝です。起きてください」    シオンの優しい声に目を覚ませば、カーテンが開き部屋に太陽が降り注ぐ。聞こえないふりをして布団に潜り込めば、ベッドが押し上げられた。 「シオン、この起こし方やめてって言ってるでしょう」 「ナルミがタヌキ寝入りをするからです。今日はどう過ごしますか? 朝ごはんは食べれそうですか?」 「どう過ごすかは未定。朝ごはんは軽く食べる」  仕方なく体を起こしてスリッパに足を突っ込む。キッチンへと向かえば、冷蔵庫が開いた。 「おすすめはフレンチトーストです」 「軽いものって言うとシオンは毎回それだね」 「ナルミが好きなものだからですよ」 「ふふ、そうだね。コーヒー濃いめに入れて、カフェラテにする」 「かしこまりました」  まるで主従のようなやりとりをしながらも、シオンの把握っぷりは完璧だ。濃いめのコーヒーは、もう既に淹れられていたし、レンジにフレンチトーストを入れれば私の好きな具合に暖められている。  フレンチトーストを取り出して、冷蔵庫から牛乳と氷を取り出して濃いめに淹れられたコーヒーに注ぐ。
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