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しょうがなく寝たわりには、ぐっすりと眠れたらしい。外の鳥の鳴き声で目を覚ます。
「シオン、まだ怒ってる? ごめんね、ひどいこといって」
「ナルミは、出たいですか?」
「ううん、そうとは言ってない」
シオンとの生活はなかなかに快適だ。人と会えないことを除けば、最高な生活だと思う。
「てか、どうして出してくれないの?」
「出たら帰って来なくなるでしょう?」
「そんなに信用ない? 私」
ちょっとショックだなぁ。正直最初は驚いたけど、シオンに愛着は湧いている。最高の生活を提供してくれるし、いわゆるスパダリだと思う。
正直、外に出たところで帰ってこないと言う選択肢は選ばないだろう。
「ナルミは、人間です。外に出れば出会いもあります。素敵な人がいたら、きっと帰ってこなくなってしまいます」
「また変なの読んだ?」
「ナルミが読んでいた漫画です」
そう言えば最近、流行の不倫の漫画読んだ。それで、不安になって昨日は拗ねたってことか。
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