タイトル未定

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体育教師の担任から発表された小学校最後の夏休みの読書感想文の本は、聞いたこともないタイトルだった。 美紀は読書感想文がとても苦手だった。 せめて有名な読んだことあるやつにしてよ。読むところからやらなきゃいけないじゃん。 「この本を持ってない人は図書室に置いてあるからそこで読んでくれ。言っておくがAIに書いてもらった人は校庭十周だからなーちゃんと自分で書けよー?」 30代なのに昭和の体罰を課そうとする。脳が筋肉で出来てるような先生だ。 そっか、AIに書いてもらったらいいんだ。自分で書いたのかどうか先生に分かる方法はないもんね。 他の宿題はちゃんと自力でやった。どうしても感想文は書きたくない。悩んだ末に美紀はAIに丸投げした。 おお、すごい良い出来! でもあまり上手く書けてるとバレるんだろうな。ちょっと下手くそに直して…これで大丈夫。 AIの書いた感想文を読むとなんだか面白そうな本だったかも。でももう始業式は明日で時間もない。先生ごめん。いつか本当に読むから感想文抜きで。
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