1人が本棚に入れています
本棚に追加
出会い
「お前、ヒナタだよな。久しぶり、やっとみつけた」
そう後ろから声をかけられて、いきなりすごい力で肩を掴まれた。とっさのことに驚いて、勢いよく振り返る。
するとそこには上下揃いのジャージ姿の男がいた。
(誰だこの人、ほんとに知らない)
「えっ、何ですかいきなり。人違いじゃないですか」
「いや、お前はヒナタだよ。……魂の匂いが同じだ」
「何を言ってるんですか?」
この人に関わってはいけない。直感的にそう思った僕は、肩に置かれた手を振り払って、走ってその場を立ち去ろうとした。
しかし、男は追いかけてきて、構わずワケのわからないことを話し続ける。
「あー、悪い悪い、いきなり過ぎるよな。ヒナタってのは前世のお前のことな。で、俺はそのヒナタと一緒に家族としてずっと暮らしてたんだ。まあ、今の姿で会うのは初めてだからな、動揺しても無理はないけどさ」
「何の話をしてるのか、わからないんですけど……!」
最初のコメントを投稿しよう!