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「だからって逃げることないだろ。俺めちゃくちゃ探したんだぞ、お前のこと」
しばらく走って逃げるけれど、男は涼しい顔をして追いかけてくる。やがて僕は息が続かなくなり、思わず立ち止まる。
「いやちょっと、待ってください、そんな事言われても……! 第一、僕はあなたの事、知りませんし、一体、何なんですか……!」
膝に両手をつきながら、そして息を整えながらその男に話しかける。男はというと、息切れ一つせずけろっとしている。
「やっと諦めて話くらい聞く気になったか?」
「聞く気にはなってないですけど、聞きます……。でないと、このまま永遠に追いかけられそうなんで」
観念した僕は、とりあえず近くの公園に場所を移し、話だけでも聞くことにした。
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