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夢の中で
その日の夜。
僕はいつものように布団の上で、ナツキには家にあった寝袋を貸してやって並んで眠った。その時、夢をみた。
夕暮れ時の公園で、手をつないで歩く男の子と青年。
ブレザーを着た高校生くらいの少年が、買い物袋を持った青年の後ろを追いかける姿。
二十歳の集いと書かれた看板の隣で仲良く並んで写る、青年2人。
手を握り向かい合わせになって眠る、青年2人。
病室で穏やかな笑みを浮かべる老人と、その隣で静かに涙を流す青年。
どの場面にも出てくる青年に見覚えがあった。今、僕の隣で眠っているその人だった。
青年の見た目はほとんど変わらないけれど、隣にいる人は面影を残しつつも年齢を重ねているのがわかる。
(これは、ナツキとヒナタの過去だ……)
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