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「何だよ、離していいぞ」
「今はもう少しだけ、このままでいいよ」
「どう、して」
「……今さっきまで、あなたとヒナタの夢をみてた」
「……そうか。俺が近くにいた影響だな。悪かった」
「謝らないで。みられてよかった。あんな関係性の人、そうそう出会えない。あなたたちこそ、運命のふたりだ」
「別にみてて楽しいだけのもんでもなかっただろ」
「そう、だね。苦しいことも悲しいこともあったみたい。でも、あなたがいた」
「……あぁ。ずっと、傍にいたよ」
「……ねぇ、一つ聞いても良い?」
「ん、なに」
「今も、寂しい? あんなにずっと傍にいた人と死別して、生まれ変わりを探し続けてきて」
「……んー、どうだろ。死んだ時は流石にしんどかったよ。だから気を紛らわすみたいに、馬鹿みたいに最期に交わした約束を守って、生まれ変わりを探してた。……でも、今はそうでもないかも。お前にまた会えたから」
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