ルーシアと人工知能

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シスタンに総員退避の理由を調べさせた。 しかし、メインコンピュータであるボナパルトが、シスタンからのアクセスをブロックしているため、状況がつかめないのだ。 「ルーシア、アナタハ カワイイ ノデ、キット ボナパルトハ 言ウコトヲ 聞イテ クレマスヨ」 口がうまいロボットだこと。 しかし、シスタンの言うことにも一利ある。 私のアカウントならシステムに入れるかもしれないのだ。 試してみよう。 あら? アクセスできた…… 「サスガハ ルーシア デスネ。ボナパルトモ カワイコチャンニハ 弱イノデスネ」 シスタンの言うことを聞き流し、私はボナパルトが発令した総員退避の理由を調べ始めた。 その時、インカムにキャプテンの声が聞こえた。 「ルーシア、そっちの状況はどうだ?」 「はい、今、ボナパルトにアクセスしていますので、分かり次第、お伝えます」 「わかった。くれぐれもよろしく。ちなみに、宇宙ステーション内に物理的な異常は見つかっていない」 「そうですか。では、システムの誤作動かもしれませんね。引き続き、調べてみます」 さて、総員退避の発令根拠を調べてみると……
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