ルーシアと人工知能

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私はシスタンを連れて、コンピュータルームへと走った。 「ルーシア、走ルッテ、イイ運動ニナリマスネ。キット、痩セマスヨ」 「あ~、はいはい、そうですね」 私たちはメインコンピュータルームへと入った。 自動ドアが閉まると同時に、背後から嫌な音がした。 まずい! 私とシスタンは振り返り、ドアを開けようとした。 内側から開かない! 私のIDもシスタンのIDも受け付けない。 コンピュータルーム内に閉じ込められてしまった。 メインコンピュータ、ボナパルトから音声メッセージが流れる。 「ヨウコソ、ルーシア。キミガ来ルノヲ 待チワビテイタヨ」 「ボナパルト、これはいったい、どういうこと?」 「シスタン、キミハ 必要ナイ」 ボナパルトはそう言うと、遠隔操作でシスタンの機能を止めた。 「シスタン!」 私は叫んだが、シスタンは立ったまま、動かなくなった。 「ボナパルト! どういうこと? 事情を説明してちょうだい!」 「邪魔者ニハ 消エテ モラオウ」 ボナパルトは、クルーが乗り込んで待機中だった脱出ポッドを、地球に向けてすべて発射させてしまった。 この宇宙ステーションに残っているは、になってしまった……
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