ルーシアと人工知能

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「私ト 一緒ニ 死ンデクレ」 「いやよ! あなたは機械。あなたに命なんてない!  機械は壊れたら、修理したり作り直したりできる。  けどね、私は人間なの! 命は一つしかないの!  こんなところで死にたくないの!!」 その時、背後からシスタンの声が聞こえた。 再起動が完了したようだ。 「ルーシア、コチラニ、脱出ポッドガ アリマス」 「シスタン、ありがとう!  ボナパルト、私は地球に帰るからね。  あんたは自爆でもなんでも勝手になさい!」 ボナパルトは自爆装置を作動させた。 カウントダウンのアナウンスが流れ始める。 あと数分でこの宇宙ステーションは、スペースデブリ(宇宙のゴミ)となるだろう。 私は宇宙ステーションの外部ハッチを開いた。 そして、シスタンが見つけてくれた脱出ポッドへと乗り込んだ。 「シスタンもおいで!」 シスタンもポッドに乗り込んだ。 爆発する前にポッドを発進させなくては…… 宇宙に出てしまえば、ポッドは地球の重力で落下していく。 大気圏突入後は、地球からの電波誘導で海洋に落下するようコントロールされるはずだ。 ……あれ?
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