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黒いヒト
ピリッ!
激痛が足を駆け巡る。地面に足を置くと足がピリピリして痺れるのだ。
少し慣れてきた頃に声がかかりました。
「凍歌様?どうなされました?」
はっ、そうだ。早く進まないと心配かけちゃいます。
恐る恐る一歩ずつ足を踏み出してみる。踏み出すたびにピリリとした痛みを感じるが、すぐに消えた。
他の人も同じ様になっていないのかと周りを見渡してみる。
すると、所々に淡いオーラを纏うヒトや、黒いオーラ―を纏うヒトがいる。
――何、これ。
黒い人に近づくと地面を踏んだときと同じように全身がピリピリ痺れる。
一際大きいオーラを纏うヒトの前を通った時、あまりの激痛にへたり込んでしまった。
「凍歌様!?どうかなさいましたか?!」
「あ、あの…」
これは話していいんでしょうか?でも、話すと心配をかけてしまいます。
「大丈夫です。落ち着いて話してください。」
「うん…あのね、地面を踏んだら体がピリピリするの。それに、黒いオーラの人に近づくと全身がピリピリして痛いの。」
皆、明らかに戸惑った様子。
ヒソヒソと話す声が聞こえる。
『黒いオーラ?』『凍歌様にはいったい何が見えているんだ?』
そんな中、零が僕の体を抱えて立ち上がった。
「気づかなくてすみません。よく、我慢できましたね。医務室に向かいましょう。少なからず先生がいるはず。」
「うん、ありがとう…」
零は優しいな。一体何の種族なんでしょう。綺麗で、透明感のある肌と髪。
「零は、雪女なのですか?」
問いかけてみると、零は目を見開いた。
「よくわかりましたね。」
「見た目の特徴から考えた当てずっぽなのです。」
零は、小さなお城の方へ向かっているようでした。
「あっちでは、病人やけが人を養っているんですよ。」
じゃあ医務室はあそこにあるんですね。
「ここが医務室です。」
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