入学式

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入学式

「ん…ぁ?」 僕は見慣れない天井を見て首を傾げた。 あれ、ここどこでしょう?ま、まだ夢の中? 「凍歌様!!お目覚めになられましたか!」 バッと視界に映り込んできた零に飛び跳ね、思い出した。 「にゅ、にゅうがくしきは…?」 「まだ始まっていませんよ。お体の方大丈夫ですか?」 「らいじょうぶらと(大丈夫だと)…」 あら、零が口抑え込んで苦しそうにしてます。 「零こそ大丈夫ですか?」 「…はっ!はい、大丈夫です(ニコッ)」 ほ、ホントでしょうか? って、あ!入学式! 「急いでいきましょう!」 地面にトッと足をおろした。 「…あれ?」 いたく、ない? 「どうかなされましたか?…あ!足、大丈夫なのですか?」 「どうしてかわからないけど、痛くないんです。」 ずっと寝転んでたからここの地面に慣れたとか? 「おぉ、目が冷めたか。」 さっきの優しそうな先生が歩いてきました。 「あ、先生。ありがとうございます!」 「…何がじゃ?」 「あ、いえ、あの…ここで寝させてくれたので!」 一瞬、先生はキョトンとした顔をして固まったあと、笑った。 「ほっほっほ。それぐらいいいのじゃよ。気軽に利用してくれ。あ、サボりは厳禁じゃぞ?」 ぼく、サボるように見えるんでしょうか? 「入学式、行かないと」 「おぉ、そうじゃったな。またしんどくなったりしたらいつでもおいで。」 僕と雫は部屋を出た。 「ほんとに痛くない…なんででしょう?」 「まぁ、考えていても仕方ないようなので…」 それもそうか。入学式、楽しみだなぁ。
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