入学式

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と、思っていたのもつかの間。 「君かわうぃーねぇ!!良ければ僕と一緒に、お茶でもどう?」 「あの、入学式行かなきゃなので…」 僕は変な人に絡まれていた。 「超絶美しくかっこいい、イケメンの私よりも、入学式のほうが大事なのか?!」 「はい、あの、入学式は第一印象が決まる大事な場なので。遅れたりサボったりしたら印象下がるかと。」 本で見ためんへらってやつ?とおんなじようなこと言ってます… 「他の人からの印象が悪くても僕が一緒に居てあげ――」 「…その子困ってるじゃん。」 黒髪の男の子が変な人の話を遮ってくれた。 「む、何だね君は?!はっ、ど底辺陰キャかよ。入学式早々その髪型はねぇだろww」 急に話し方が崩れて意地悪な人になった。変な人なのにかわりはないけど。 というか、変な髪型なのは僕も同じでしょうに… 「そんな事ないと思います!人のこと助けられるいい人だし、優しい光ですもん!」 「…優しい、光?」 はっ!危ない、あまりこの話はしないようにしなければ。 「え〜と、優しい人のことを光で例えてるんですよ。」 「…じゃあ、この人は?」 「この変な人はね…」 「変な人って何だ!!」 今話そうとしてたのに… 「…急がないと入学式、始まっちゃう。」 「ホントだ。よかったら一緒に行きましょうよ。」 「…ぼく?」 黒髪の男の子はこてん、と首を傾げた。 「ちょっと私の話はスル――…」 「うん。…もし君がいいなら、仲良くなりたいな。」 男の子は僕に「何を言っているのかわからない」というような目を向けた。 「ちょっt…」 「…なんでこんな僕と?」 「かっこいいと思ったから!」 少年の目にはキラキラとした光が宿っていた。
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