変な人

1/2

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ

変な人

「おぉ、これはこれはさっきの美少女ちゃん。」 短い休憩時間が入って、だらけようと思ってたらさっきの変な人。 「と、モサ陰キャブス。」 なんで深月くんにだけそんな辛辣なんでしょう。 「ねぇ、みんな一緒に仲良くしましょうよ?」 「おぉ、君が言うのなら仕方ないなマイハニー。」 「でも意地悪言う人と仲良くしたくないな、僕。」 そう言うとガビーンというように硬直している変な人が面白い。 「僕の名前を知りたいか?そうか、そうだろう?」 「何言ってるかわかんないし別に知りたくないです。」 「ぐおっ、…マイハニー君は、私に対して酷くないか?」 「簡単に入学式をサボろうとする人の第一印象いいと思いますか?何事も最初で決まるんですよ、最初で。」 思ったことを言っているだけなのに常に悲しそうにしているのはなんででしょう? 「…私の名前は駿 望海(たか のぞみ)だ。」 「唐突な自己紹介」 「まぁ、さっきは悪かった。君の名前を教えてくれないかハニー。」 「あっかんべー」 ハニーってなんでしょう。はちみつかな。 「惡寒 邉と言うんだな。」 「「なんでそうなる」」 「違うのか?本当のことを教えてくれ、小鳥ちゃん。」 「僕は鳥じゃないですよ。咲花 凍歌。」 「…お前は?」 なんでそんな恨めしそうな顔してるんですか?ほんとよくわかんない。 「…さあ。別に知らなくてもいいんじゃない。」 「なんでだよ。」 「…仲良くする気ないでしょ?僕のこと嫌いなら何もシラなくていいじゃん。」 「う、まぁ、あ〜」 やっぱり嫌いなんだ。なんででしょう? 「…ねぇ、やっぱりさっき咲花っていったよね?」 初めて見た女の子に声をかけられた。 どうしたんでしょう? 「うん、言いましたよ?」 「あの有名なお金持ち宅?ほんとに?やば!こんなとこで会えるなんて!」 「…金目的?それなら近づかないほうがいいと思うんだけど。」 「え、何あんた。キモ。モサ陰キャじゃんやば!」 「ねぇ、みんななn――」 深月くんに袖の裾を引っ張られた。 言わないでってことでしょうか?今は話しちゃいけない時? (…僕なんか庇わないで。) (え?なんで?) (…いいから) 「ねぇ二人で何話してるわけ?ねぇ〜咲花さん友達なろ〜。」 「君はくろ…」 これは言っちゃだめですよね。さっきから肌がピリピリするの。離れてもらいたいけど、どう言えば… 「なぁに?最後まで言ってよ。」 「えーと、あの…」 あ、やばい、腕、触られる、だめ、やめて触れないでお願い 「…顔色悪い。」 「…」 深月くんは気づいてくれた。女の子は深月くんを見て動き止めてる。 は、ひゃやく休み時間終わって、 「みんなー。席について〜!」 「あ、終わっちゃった。友達の件考えといてよね。」 あ、ぶなかった… (深月くん、ありがとう。) (…僕何もしてないけど) 理由は言えない。でも、お礼はしないと。 (…体調、悪くないの ?) (あー、ごめんね、大丈夫ですよ。) (…もしかして、人に触れたらいけないとか?) (そんなことはないんですが…) (…まあだいじょうぶならいい。) 何だかちょっと仲良く慣れた気がして嬉しいな。 でも、どうしてだろう。 きみは、 きみだけは、 なかよく、なりたいと思ってしまうんだ。 他の人には感じないのにな。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加