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ついに夕飯の時間。一体何が話されることやら。
「いい?凍歌。落ち着いて聞くのよ。」
これでもかってくらいには落ち着いてる。
どんな話をされてもきっと大丈夫だ。
「あのね、お母さんたち…本当は人間じゃないの。」
「人間じゃない…ですか?」
母上たちが人間じゃないのなら、もしかして僕も…
「…頭のいいあなたならもう勘づいていると思うけど、もちろんあなたもよ。」
「何という種族なのですか?」
お母さんたち、だから父上もだろう。
「…私は死神よ。」
「俺は吸血鬼だ。」
…通りでふたりとも美人なわけだ。
「ち、ちなみにおいくつなのですか?」
両種長生きなため、かなり年は…
「私は372歳で、お父さんは365歳よ。」
想像を超えていた。こんな若そうな見た目をしていてどうしてこんなにお金があるのか不思議だったけど、そういうことだったのか。
「私は、死神と獣人の血を色濃く受け継いだわ。
「俺は吸血鬼と雪女のハーフだ。吸血鬼の血のほうが強いから、吸血鬼とされている。」
じゃあ、僕は吸血鬼と死神と獣人と雪女の血が混ざっているの?獣人って珍しい種族なんじゃありませんでしたっけ?
もう、頭こんがらがってきちゃいました。
死神と吸血鬼、雪女は美人で、獣人は可愛いと言われてるんじゃないでしたっけ?
…まぁ、そりゃ綺麗、可愛いとか言われるわけだな。
「では、魔族学校に行くことになるのですか?」
「あぁ、そうなるな。力をうまく使えるようにならんと、お前の身が危ない。」
さっきから全然口を開かない父上が言った。
もう、こういうときだけ入ってくるんですから。僕のことを心配してくれるのは嬉しいんですが…
「今年の春からよ。あと、一ヶ月しか無いわ。急いで準備をしないと。」
魔族学園は制服が向こうから送られてくるから準備はいらないんじゃないでしたっけ?
「あの、何の準備を…?」
「決まってるわ。私達の可愛い凍歌を守るためにする、変装の準備よ。」
…へ、変装、?
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