変な人

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「次は適正魔力の診断を行います。前の列の人から順番にこの水晶玉に触れて行ってください。」 水晶玉に触れるとその人の適正魔力の色に光るみたい。 「――次は凍歌さん。どうぞ」 早速触れようと手をかざす。 あれ、ヒビ入ってない?しかも揺れてる気がするんですけど。 まぁ…とりあえず触れ… ピシッピシピシッ あれ、どんどんヒビが… 「凍歌さん、どうかされました?」 「せ、せんせい、これ、触ってもいいんでしょうか?」 「…え?なにこれ。離れて!」 パリーン!! ものすごい音を立てて水晶玉が壊れた。 教室はプチパニック。 「あ、あの、ごめんなさい。」 「いえ、ちょっと、変えを取りに行ってきますね。」 そう言って先生は新しい水晶玉を持ってきた。 「もう一回、手をかざしてみてください。」 ピシ、カタ、カタタ… 「離れてください。」 ピタ。 これやっぱり僕のせいですよね?! 「…あー、じゃあ、取り敢えず先に後ろの人、やろうか。」 深月くんは氷みたい。かっこいいな〜。 僕は結局なんなんでしょう? 「咲花さんは、後で他の先生の魔法で見てもらうからね。」 そんなこんなで全員終わった。 やっぱり僕だけ色々おかしい。 光が見えるし、体は痺れるし。 「…咲花さん、大丈夫なの?」 「ぼ、僕は大丈夫なんですが…」 深月くんも心配してくれてる。 「次は寮部屋に行きます。案内されたらそのまま部屋の準備をしてください。準備が終わったら、新入生歓迎会に向かってくださいね。会場は――」 寮かぁ…メイドたちが減って静かにはなるだろうけど、ちょっとさみしいかな。 「咲花さん、部屋はこちらになります。」 「凍歌様?」 「零!」 部屋に入ろうとすると零が扉を開いた。 「凍歌様、お友達はできました?」 「うーん、お友達になれたかはわからないけど、お話する人は増えましたよ。」 零は安心したような顔を見せる。 「深月くんっていうんです。あと勝手に話しかけてくる変な駿 望海っていう人もいますよ。」 「楽しいなら何よりです。」 メイドは…零だけみたいです。 あんまり連れてきたらだめなのでしょうか? 部屋の広さは家の屋敷と変わらないみたい。 ベッドの上には僕の大好きなぬいぐるみが置いてある。 「ぬいぐるみ!持ってきてくれたのですか?」 「ええ。喜んでくれるといいなと思いまして…」 零はほんと、気がきくなぁ… 「今度そのお友達も連れて来てはいかがですか?」 「そうですね!そういえば、ここの寮は親が持ってるお金の量によって場所が変わるんですね。」 「えぇ、お金が少ない人の部屋の近くにお金持ちの人がいたらお金を狙われていしまうので。」 …やっぱりお金の価値ってすごいんですねぇ、
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