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深月の過去
―深月sid―
話を切り出すと、目の前の少女は心配そうに瞳を揺らした。
「僕は―とある貴族のもとに生まれたんだ。」
母と父はとても仲良かった。だが、どっちの髪の色とも瞳の色とも異なる僕を見て父は母の不倫を疑った。
母はしていないと強く主張したが、証拠がないため父は離婚を告げる。
不倫をしていなかった母は、僕のせいで父と分かれることになったと、殴ったり蹴ったり、ムチで叩いたりしてストレスを全部僕にぶつけていった。
右腕の骨まで折れてとうとう耐えきれなくなった僕は、屋敷を抜け出した。
いままでも食事は与えられてこなかったため、空腹には慣れている。
だが汚く、たくさんの血がこびりついている僕を見て耐えられなかったのか通りかかった女に施設に連れて行かれた。
他の子供達は髪が黒く、おとなしい僕を見て気味が悪いと虐めだした。
ある日、僕はいつも通りみんなにいじめられて、殴られていたんだ。
でも、男は痛みが足りないんじゃないかって言って、カッターを取り出した。
カッターが僕に触れようとしたとき、急に僕から棘の形をした氷がたくさん飛び出してきた。
それに、騒ぎを聞きつけて来た大人たちが僕のことを殴ろうとしたら、部屋中が凍って、
僕は何が起きたのか分からなくて、力が抜けて、
気づいたらこの学園にいて、そこにいる大人たちが僕はここの学園の生徒になってもらうって言ってて、今に至る。
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