初めての授業

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初めての授業

深月くんとあのあと他愛のない世間話をしてから、解散した。 送っていこうと思ったけど帰りに迷うと思ったらしく、断られた。 失礼な…たまにちょっと自分の現在地がわからなくなるだけなのに。 「え〜皆さん。もうすでに知っていると思うけど、今日からB組の担任兼、魔法学の先生を努めます。佐東 水狐です。よろしくね!」 魔法学…どんなことをするんでしょう。 基本的にこの学校は力のコントロールをするために必要なことを学ぶ場と聞きましたが… 「今日はみんなが仲良く慣れるように、最初の授業は自己紹介の時間にします!」 自己紹介…またみんなに金持ちの家とか言われて、お金目的で近づいて来られるのでしょうか… まぁ、深月くんがいるし、放っておけば大丈夫でしょう。 「では、席順にしていこうかな。じゃあまず…」 みんなが自己紹介をしている。そろそろ僕の番ですね。 「じゃあ次は…咲花さん!」 「咲花 凍歌です。属性はまだ不明ですが、歌うことが好きです。至らない点もあるかと存じますが、よろしくお願いいたします。」 教室が少しざわつく。咲花家というだけで驚かれたりするのに、属性がまだ不明というのだ。 そりゃ、ざわつきますよね。 「皆さん静粛に。じゃあ次は…」 話はどんどん続いていく。これから学校でちゃんとやっていけるんでしょうか… 「次は駿さん。どうぞ。」 「やぁ素敵なマイハニーたち。皆知っていると思うが、私の名は駿 望海だ!私と同じクラスということを光栄に思うが良い。属性は風だ。美しい私にぴったりなクールな属性だろう?」 さっきとは別の理由で教室がざわめく。 時々、 「駿 望海?誰だ?」「あれだよあの…」 「うるさい人だなぁ…」「マイハニーだって。気持ち悪い…」 というような声が聞こえてくる。 反対に、 「キャー!望海様よ!今日も麗しい!」 「あぁ、私の白馬の王子様…美しい…」 などの声も聞こえてくる。いや、そっちのほうが多いかも。 見た目はまだいいほうなのかもしれないけど…この人のどこが良いのかわからない。おしえてほしいくらいです。 「皆さんお静かに、みんな、仲良くしようね。次は…」 席順だから深月くんは僕の次じゃない。 なんていうかこう…前から後ろの人が全員発表したら次の列の一番うしろの席の人が発表していく感じ。 わかるでしょうか? 僕、誰に説明してるんだろう… 「えー、次は深月さん。」 「…深月です。名字はありません。属性は氷です。よろしくお願いします…」 深月くんのときは特に周りの反応はない。 時々、なんで名字がないんだろうとかが聞こえてくるくらい。 それ別に声に出さなくていいと思うんですが… 「えー、ソフィア・エンジェルさん。」 「皆様、ごきげんよう。ソフィア・エンジェルですわ。私うじうじしてる平民は嫌いですの。私の前ではシャキッとして対応するように。よろしくお願いいたしますわ。」 少し正確がきつそうなお嬢様だけど、周りを囲む光が柔らかく優しい色をしている。 きっと根は優しいんだろうな。 そんなこんなで、特徴的な人がたくさんいた自己紹介は終わった。 「え〜、時間だから、そろそろ鐘がなるはず…あ、なったね。じゃあ、休み時間です。基本的に自由に過ごしてもらっても大丈夫だけど、みんな仲良くしてね。」 次の時間は、早速魔法学かな。準備するものは特に無いみたいだし、深月くんとお話しましょう♪
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