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…そう思っていたのもつかの間。
「咲花様?少しお時間頂いても?」
僕の眼の前にはソフィアさんが立ちはだかっていた。
「えぇ、大丈夫ですよ。どうかなさいましたか?」
「いえ、ただ貴族同士の交流が必要と存じまして。このクラスで一番有名な貴族といえば貴方、咲花さんですのよ。」
僕、そんなに有名な家だったのでしょうか?
僕は外に出たことがないから周りの人たちのこと知らないけど、みんなは僕のことを知ってるんだね。ちょっと不思議…
「お話できて光栄です。まだあまり人と関わったことがなくて、ご迷惑をおかけするかもですが、どうぞお手柔らかに。」
「やっぱりあの噂は本当でしたのね。」
…噂?
僕、なにか噂になってるの?
「咲花様がまだ幼い頃…襲われて以来、一度も外の人と関わっていないという噂ですわ。」
「幼いときに、襲われた?…僕にそのような記憶はございませんが、小さいときから一度も外の世界に出たことがないのは事実です。」
襲われた、事があるのでしょうか?
もしかすると、聞かされていないだけで物心つかないころになにかあったのかもしれませんね。後で零にも聞いてみましょう。
「大変ご苦労なさったでしょうに…そうだ、今度一緒にランチに行きませんこと?そこで色々お話しとうございます。」
「いいですねぇ。ぜひ、ご一緒させていただきたいです。」
「決まりですわ!また、教室にて予定合わせいたしましょう!それでは。」
…忙しいんだなぁ。僕だったらいつでも予定空いてるや。
「…ソフィアさん?だったっけ。あの人の光はどんな感じなの?」
「ん〜すっごく柔らかくて優しい色をしてるよ。」
深月くんは僕に意外そうな目を向ける。
「多分、話し方のくせできつく聞こえるかもだけど、根はすっごく優しいんだと思う。」
「そうなんだ。見かけだけじゃわからない事もわかって便利だね。」
時々痛いですけどね〜
なんて会話をしていると、すぐにチャイムがなった。
初めてのお勉強、楽しみです…!
魔法…使えるといいなぁ。
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