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女の子のふりをしないと行けないということで、次の日からは演技の練習を頑張りました。
「凍歌。」
「はい、母上。」
母上はふふふと笑って袋を差し出してきた。なんだろうと思って開いてみると、手紙と制服らしきものが。
「母上、これは…!」
「ええ。届いたから試着してもらおうと思って。」
周りに控えていたメイドたちがギラリと目を輝かせる。嫌な予感がする、と思った瞬間、僕はまたもやメイド達に揉みくちゃにされていた。
「「「「「か、可愛い〜♡」」」」」
「確かに、この服すっごく可愛いですね。」
母上も、ちゃっかりメイドさん達と一緒に声を上げている。
「いえ、服も可愛いのですが、凍歌様がっ!」
「え、ぼ…私ですか?」
いけない、油断していた。気をつけないと。
「はい、服に負けないくらい可愛いですよ、凍歌様!」
「いや、何故衣装じゃなくて僕なんですか。」
は、やってしまった。
「…もういっそ、私じゃなくて、ボクっ娘ってことにしたほうが、怪しまれないんじゃないですか?」
ボクっ娘…確かにそれがいいかもだけど…そもそもの疑問がある。
「なんで男じゃなくて女にしたんですか?」
「単純に私達が可愛い衣装を着ている凍歌様を見たかったからです。」
即答。髪の毛も短いし、一人称僕だからそもそも男で良かったんじゃないかと思ったけど、それじゃだめなのか。
「それはこないだ好きにしたじゃないですかっ!性別無いからって何でもしていいわけじゃないんですよ!僕はあなた達のきせかえ人形じゃありません!」
明らかに遊んでるでしょ。
「それに、学園に行き始めたら別に制服着てても見れないでしょ?」
「「「「ついていってはだめですか???」」」」
「「ダメです」」
母上と僕は同時に答えるのであった。
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