椎名くんは変わらない

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「その後だって散々(さんざん)二人でデートしたじゃん。映画見に行ったり、二人で一つのパフェ食べたりしたじゃん」 「してたけど……私はデートだっていう認識はしてなかったよ!」  だって、あの告白が本気だと思ってなかったんだもん。  汗が止まらない。  ひんやりしている水族館の中なのに、おかしいな⁉︎  「じゃあ──藤川は俺のこと、好きじゃないのか?」  椎名くんがマジな顔で私に尋ねる。  椎名くんはこんな顔でいつも変なことを言う男の子だ。  私は、そんな彼のことが……。   「……好きかも。シロイルカの次くらいには」 「テンション低っ!!」  椎名くんは死んだ魚のような目になった。 「あははは! うそうそ。ちゃんと好きだよ、椎名くん」  私は笑ったフリをしながら、勇気を出して椎名くんの手を握った。 「あ、四回目」  椎名くんが嬉しそうに呟く。  椎名くんも数えてたのか。  私たちは本当に気が合う。 「これからもよろしくな、藤川」 「こちらこそ。よろしくお願いします、椎名くん」
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