第一章 新しい友達

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第一章 新しい友達

ーーSide 冴島 里依  11月の太陽は日を追うごとに早く落ちていきます。今は完全にあたりも暗くなった午後8時。しかし、今日もまた辺りの暗さにめげず懸命に勉学に励む受講生が居るのでした。 「環ちゃん、今日も精が出ますね」  彼女は環 なつめちゃん。ポニーテールにハッキリとした顔立ちの大学2年生です。しっかりした見た目とは裏腹に柔らかそうなニットのセーターでギュッと腕を掴まれるとなんでも許してしまいそうになるほどの可愛い仕草にキュンとします。  彼女は今日も資格取得のためにここ、社会人向け資格取得スクール「資格のナナホシ」に真面目に勉強に来ているのでした。 「冴島センセは今日”も”残業?」 「うっ、それは言いっこなしですよ」  平時ならとっくに上がれている時間にも関わらず、ここ暫く定時に上がれないのは金曜日に有給を取るために仕事を詰めているからです。今日もまだ、仕事が詰まっていて受講希望者からのお問い合わせなどを確認しなければなりません。 (週末に仕事の憂いを絶対に持ち込む訳にはいかないのです!) 「ねぇねぇ、今週末冴島センセと遊びに行きたい」 「今週末はちょっと。用事があるんです。お友達と一緒に2泊3日秋の食欲野外飯キャンプ大会の予定なんです」  そう、秋の終わりということを口実に、私たちの友人グループで野外の味覚を楽しみに出かける予定があるのです。 「そうなんだ......あ。じゃあ今日! ちょっとお話しよ?」
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