第一章 新しい友達

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* 「やっぱ冴島センセ面白いよね!」 「私で遊ばないでくださいー!」  残業後、一杯だけの約束で近所の喫茶店に環ちゃんと入りました。カフェオレはゆっくり飲んでいてももう半分。会話に花が咲くのは環ちゃんが私に豊富に話題を提供してくれるからなのです。 「そういえば、11月にキャンプって寒くない?」 「私は詳しくないのですが、コテージという小屋のようなものに泊まるようですよ。中には暖房器具や寝具もあるらしく、テントを建てたりはしなくていいそうです」  キャンプには詳しくない私ですが、アウトドアに関しては詳しい友人が居るので細かいところは気にしていません。 「へー。グランピングでもないんだ。そういうの女子だけで準備するの大変じゃない?」 「男の子も居ますよ」  環ちゃんがガタッと持っていたカフェオレのカップを落とします。 「え! 冴島センセの彼氏!?」 「私に彼氏が居るように見えます?」  環ちゃんは勢いよく首を振ります。それはそれで失礼です。私の144cmの身長はこれ以上伸びる気はしませんし、相変わらず外に出れば童顔とゆるふわの髪の毛のせいで22歳には見えないと言われますが、これでも立派な社会人のレディなのですから。 「男女2人ずつ4人のお友達グループでお泊まりなんです。私達、仲が良いので」  環ちゃんは悩むような素振りを見せたのち、私の表情を窺います。 「それってさ、大丈夫? ”男女混成グループは仲が良くなると絶対に色恋沙汰になる”ーーって言うから」 「その点は全く大丈夫ですね!」  何故なら、私たちのグループは私が加入した当初から色恋沙汰の真っ最中なのですから。今更どうこう揉めることなどないのです。 「どうかな? 人間関係ってどんどん変わっていくよ?」  環ちゃんの意味深な表情の理由がまさかこの後私に降り掛かろうとは、このときの私は思いもしなかったのです。
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