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「緒方さん、これは2人の関係を正常化するために大切なことなんです! 知っているのに教えてくれないのは卑怯です」
「......僕達にはどうしようもないことだから」
里依さんは正義を暴走させることがあると思う。真実を知ることは、必ずしも人のためにはならない。松野も環さんもきっと、知られたくはないはずだ。
「どんな答えでも私、環ちゃんにそれとなく伝えますし、うまくやってみせますよ」
「里依さんには無理」
既に失敗している里依さんには期待できない。それに、僕がこの話題をしたくない。
(里依さんに経験があるとは思えないし、もしあったとしたらそれはそれで嫌だ)
里依さんは僕に基本的になんでも話してくるけれど、少しはこういった可能性についても考慮して欲しい。それなのに、里依さんはやたらと食い下がってくる。
「ば、馬鹿にしないでください。私、社会人の先輩なんですから、全部受け止められるだけの器量があります! それとも私、そんなに心が狭く見えますか?」
僕は観念した。
そこまで言うなら言わざるを得ない。
「......身体の関係」
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