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ウッシー、まじか。
私、カナダ来てから美容室なんて普段行かずに自分で切ってるのね。
だから日本に帰るたびに、ウッシーに切ってもらうくらいなの。
その時トリートメントおまけでしてくれたりして、髪がめっちゃツヤッツヤ
になって嬉しくて、ウッシーの店で思わずベリーダンス踊っちゃった。
ウッシーが独立の夢を形にして作った店、超センス良くて、日がたくさん差し
て、床も無垢材で温かみがあって、手作りのベンチとかもかっこよかった。
カナダに越してくるまでの5年間、ラメールで一緒に働いてたから、毎日、
顔合わせて、朝礼の前とかによくウッシーに
「ねえねえ、昨日私寝てる時、金縛りにあってベットの隙間に挟まってた宇宙人に握手求められたんだよ!」
とか、
「ねえねえ、昨日運転してたら虹のたもとがずーっと追っかけてきて、その日のうちに5個も別の場所で虹を見たんだよ!」
とかって、全部本当にあった事だから興奮気味で話したら、
「はいはい、ノエミさんはぶっ飛んでますよね。そういうの、ないですから。話盛らないでくださいよ」
って、いっつも全然信じてくれなかったね。
そんな宇宙人も不思議な話も信じないウッシーに、まあ私も懲りずに、奇跡を信じてほしくてさ、挑戦してたわけ。
で、
どう?
今、どんな体験してんだべか。(北海道です)
生きる世界が変わったウッシー。
身体という器を飛び出して、もっと大きな世界に旅立ったウッシー。
夏至の夜に日本から連絡入ってさ。飲み込むのに時間、かかったさ。
だってさ、また会えるって思ってたよ。普通に。
この私達が生きる3次元でさ。次、帰った時、また普通に会えて、また私が
「ねえねえ、この前、金縛りにあってさ、ハリネズミの赤ちゃん達が窓から私のお腹にジャンプして遊んでたの!(実体験)」
って話しして、またウッシーに
「ノエミさん、もう大人なんだから、そういうのやめてください」
とか言われながら髪を猫が引っ掻くみたいにトリートメントしてもらえるって
思ってたし、いつも日本に帰るたびに、あの時のラメールのみんながそれぞれ持った家族ぐるみで、キャンプするの楽しみにしてたわけ。(あの頃みんな独身だったけど、みんな家族増えて嬉しい)で、ウッシーが信じてくれないようなナオキマン顔負けの不思議な話とかも、更にいっぱい体験して、ネタがいっぱいあるわけ。
それなのに、いきなりさ。先日『雨よ降れ』のテーマで、蜻蛉の詩とか書いてたあたりだったんだね、ウッシーが、ほんとに蜻蛉の背に乗って、彼方に行っちゃったのが。
私、ほら、その前に銀行口座ハッキングされてお金取られたりして、メールとか全部急いで消さなくちゃいけなくて、日本の友達と連絡取れなくなってたんだよ。だから、私と連絡頑張って取ろうと思って、みんな探してくれてたんだよね。息子通してやっと夏至の日に連絡ついて、久しぶり〜って思ったら、ちょうど四十九日。まじか、ウッシー。って。動揺を抑えようといつもの森に散歩に出かけて、青い蜻蛉が先導して、原っぱに抜けたら沈む夕陽がモントリオールの山火事の影響で、ブラッドムーンみたいに真っ赤でさ。
月なのか、太陽なのか、とりあえず綺麗だな。嗚呼まだ私はこの沈む夕陽が見れて、登る陽も見れて、大事な家族に
「いってらっしゃい」って言えて
「おかえり」って言えて
「おはよう」って言えて
「おやすみ」って言えて
「ちゃんと靴下を洗濯カゴに入れてよ」って言えて
「ありがとう」
この言葉を、今伝えたい人に伝えられる奇跡。
日々、この瞬間を、器を通して体現できてる奇跡を感じられるわけ。
「ウッシーの分も生きるよ」とか言えないわ。
だって、人は誰かの分まで生きれるものじゃないって私は思うから。
ウッシーは、ウッシー分。ちゃんと生きたから。すごいよ。かっこいいよ。
だから私は、私の分を生きるよ。
「生きてる間によく生きる」
「死は存在しない。生きる世界が変わるだけ」
そう、北米先住民の諺があって、私の中でずっと昔、ストンって腑に落ちていった言葉だった。
そう、生きる世界が変わっただけ。
私がどこから来たか、はっきりわからないように、
蝶々は、蛹だった時の事、きっと覚えていないし、蛹も青虫だった時の事、覚えてない。でも、命って続いてる。覚えてないだけで、続いてる。
だからさ、まあ、なんていうか。
こっち側からしたら、そりゃ正直寂しいけど、
また更に大きな世界で、時に虹になったり、森を通る風になったり、
なんかそんなかっちょいい事しちゃうんでしょ?
とりあえず、3次元生活卒業、おめでとう。いや、おめでとうっていうのはさすがに変か。
一生懸命同じ時代を生きた、私の友達。
ありがとう!!
2023 6月30日 月齢13 射手座の満ちる月
ノエミ(後ろ) 大切なラメールの仲間達と
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