完璧なアンドロイド

2/7
前へ
/7ページ
次へ
 アンドロイドは噂に聞いていた通り、俺が必要としていることを完璧にこなしてくれた。右に出るものがいないほど、最高の相棒。だから、英語で最高という意味を持つと最近習った『グッド』から、グゥと命名した。 部屋の掃除に、  「グゥ! 掃除はこうやってするんだ。明日からできる?」  「ワカッタ。デキル」 テレビゲームに、  「グゥ! 一緒にゲームをしよう」  「良いデスネ。ゲームをシヨウ」 公園でキャッチボール。  「グゥ、キャッチボールをしよう」  「キャッチボール。シヨウ、シヨウ」 数学だけは……、  「あ~この問題難しくて解けない。分かる?」  「ムズカシイ。オレも解けない」  さすがのグゥも解けなかったけれど、放課後、校門前で出迎えてくれる瞬間は、とにもかくにも最高だった。  「ただいま。帰ったら、昨日のゲームの続きしような! 今日こそクリアするぞ」  「ツヅキ。ゲームしヨウ!」  何でも言うことを聞いてくれて、痒い所に手が届く。しかも、親や先生みたいに「宿題をしなさい」「ゲームは一時間まで」だなんて煩いことも言ってこない。  こうして俺は、完璧な相棒と完璧な日々を満喫していた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加