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次の日、留学生のレオがうちにやってきた。
レオは話に聞いていた通り頭脳明晰で、日本語も流暢に話せた。というより俺さえ知らない難しいことわざや漢字も知っていた。それだけではない。俺が苦手な数学の問題集もさらりとこなしてしまう上、ロボット工学……という難解な学問を研究しているという。
「レオ。ロボット工学って何?」
俺が尋ねると、レオは目を輝かせながら話した。
「ロボットを開発するために必要な学問だよ。ロボット工学は、機械工学、電気・電子工学、計測・制御工学、プログラミング、機械学習などを幅広くバランス良く学ぶ必要があるんだ。ロボット工学では……」
「ちょ、ちょい待って。既に難しくてついていけない」
俺が笑いながらレオの言葉を制止すると、「そうだな、分かり易く言うと」と呟いて、グゥを指さした。
「もし、グゥが故障したら僕が治せるってことさ。いつでも頼って」
「おお! それは神だわ」
今のところグゥに壊れている箇所は見当たらないけれど、何かあった時にとても役立つ。そうして俺は暫く、レオからロボット工学の話を聞いた。
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